実はVoiceOverに負けないくらい便利!?
~TalkBackの活用術をご紹介~


初期段階から開発・改善を続けているiOSのVoiceOverと比べて、AndroidのTalkBackは見劣りする...そんな印象を抱いている方は少なくないかと思います。

実際、細かなジェスチャ操作や文字入力時のフィードバックなどVoiceOverの方が優れている点もあり、更に読み上げ対応アプリの豊富さでいえばiOSにかなう環境はないと言えるでしょう。

ただAndroidのTalkBackには固有の便利機能が複数搭載されており、活用方法次第ではVoiceOverよりも効率的に使えるということをご存じでしょうか。今回は簡単に呼び出せて便利に利用することができる、TalkBackの搭載機能・小技についてご紹介していきます。

※今回の記事はスクリーンリーダー、特にTalkBackに限定した内容となります。晴眼/軽度弱視の方、iPhoneユーザには利用できない部分が多いですが、Androidに興味のある方はぜひご覧ください。


両手でスマートホンを持ち、その画面を興味深そうに見つめている日本猿の子供を描いたイラスト。

◎音声コマンド

最初にご紹介するのは、TalkBack・システムの様々な動作を口頭の指示1つで実行することのできる、「音声コマンド」機能です。

TalkBackで登録できるタッチジェスチャの数はiPhone/iPadのVoiceOverよりもかなり多く、それぞれ何の機能に割り当てていたかを覚えておくのは少し難しいのが現状です。

ただそんな時、この音声コマンドを呼び出せば、以下のような短いフレーズで各種ジェスチャに割り当てられている操作を容易に実行することができるため、TalkBack初心者にとってとても便利な機能となっているんです。

○音声コマンドの例

1. 音声コマンドのヘルプ
・「ヘルプ」または「何と言えばいいですか」: 音声コマンドの使い方・コマンド一覧を表示
2. 読み上げ
・「フォーカスした項目から読み上げ」
・「最初」/「最後」: 画面上の最初/最後の項目へ移動
・「言語」: 読み上げ言語の変更
3. 検索
・「検索 『○○』」: 画面上で特定の単語・フレーズを検索
・「検索」: 同じ単語・フレーズの次の箇所を検索
4. テキスト編集
・「全て選択」、「選択」、「選択解除」など
・「コピー」、「切り取り」、「貼り付け」など
5. システム動作
・「ホーム」、「戻る」、「通知」など
・「概要」: 最近開いたアプリを表示
6. TalkBack独自の操作
・「画面を非表示」/「画面を表示」
・「ラベル 『○○』」: カスタムラベルを設定する

※上記以外にも数多くのコマンドがありますので、ご利用の際は「ヘルプ」コマンドから対応機能一覧をご確認ください。

○起動方法

なお、初回実行時にはマイク使用の許可を求められるため、下記の手順に沿って権限の適用を実施しましょう。


◎画像/画面の説明

AIの精度が向上したことにより視覚障害者向けの画像説明機能も充実してきていますが、TalkBackには追加設定なしで画像、または画面全体の説明を受けられる便利な機能が搭載されています。

実行すると対象の表示領域がGoogle Geminiに送信され、短い待機音が再生されたすぐ後に画像の説明が表示されます。

説明が足りない場合・追加で知りたいことがある場合には、画面下部「Geminiに相談」ボタンを選択し、質問を音声入力することで引き続き対象についての情報を尋ねることができるので、視覚障害者向けの認識アプリと同等のサポートを受けられるといえるでしょう。

○起動方法

※なお、初回起動時には画面の情報をGeminiへ送信して良いかの確認が表示されますので、問題がなければ「使用する」を選択しましょう。


ホーム画面上にポップアップ表示された画像認識結果画面のスクリーンショット。ウィンドウの裏にはいくつかのSNSアイコンがのぞいており、前面に表示されたウィンドウにはBe My Eyesアプリアイコンの説明、「Geminiに相談」ボタン、閉じるボタンなどが表示されています。

◎画面検索

3つ目の便利機能は、音声コマンドの項でも少し登場した、「画面検索」です。

こちらは例えばウェブページ・アプリ内で表示中の記事など、検索機能が標準で搭載されていない環境で、特定の単語・フレーズを含む箇所を見つけ出すのに最適な機能となっています。

○検索の手順

画面検索のUIは機種・OSにより異なりますが、下記一般的な操作方法を記載します。

○起動方法


◎点字キーボード

最後にご紹介するのは、TalkBackに標準搭載されている「点字キーボード」です。

残念ながらVoiceOverの点字画面入力と異なり現状日本語には対応していませんが、英字入力であればパーキンス式の6点入力でタイピングすることができます。

英語のみの対応とはいえ、URL・メールアドレスの入力等には使いやすい機能かと思います。

○事前設定

○起動方法


◎おまけ: TalkBackジェスチャーの一覧

最後に少しだけおまけ、ここまで度々記載してきた「TalkBackジェスチャー」についてです。

デフォルトで設定されているジェスチャーについては機種・OSによって違いがあるため必ずしもこの通りとは限りませんが、LUCAの利用しているUnihertz Jelly Star(Android 13)とTitan 2(Android 16)での標準ジェスチャー一覧は下記の通りです。

同じ操作に複数のジェスチャが登録されている一方でジェスチャの登録されていない操作もありますので、ぜひカスタムジェスチャー割り当ての際にご参考にしていただければと思います。


1本の指のジェスチャー
・上にスワイプ
読み上げコントロールを上に移動する/前に戻す
・下にスワイプ
読み上げコントロールを下に移動する/次に進める
・左にスワイプ
前の項目
・右にスワイプ
次の項目
1本の指の往復ジェスチャー
・上にスワイプしてから下にスワイプ
前の読み上げコントロール
・下にスワイプしてから上にスワイプ
次の読み上げコントロール
・左にスワイプしてから右にスワイプ
後方スクロール
・右にスワイプしてから左にスワイプ
前方スクロール
1本の指の直角ジェスチャー
・上にスワイプしてから左にスワイプ
ホーム
・上にスワイプしてから右にスワイプ
TalkBackメニューを開く
・下にスワイプしてから左にスワイプ
戻る
・下にスワイプしてから右にスワイプ
TalkBackメニューを開く
・左にスワイプしてから上にスワイプ
最近のアプリ
・左にスワイプしてから下にスワイプ
画面検索
・右にスワイプしてから上にスワイプ
音声コマンドを開始
・右にスワイプしてから下にスワイプ
通知
2本の指のジェスチャー
・2本の指でタップ
音声を一時停止または再開
・2本の指でダブルタップ
メディアを再生または一時停止、音声入力を開始または終了
・2本の指でダブルタップして長押し
選択モードを開始または終了
・2本の指でトリプルタップ
フォーカスした項目から読み上げ
・2本の指でトリプルタップして長押し
読み上げのON/OFFを切り替える
・2本の指で上にスワイプ
上にスクロール(カスタマイズ不可)
・2本の指で下にスワイプ
下にスクロール(カスタマイズ不可)
・2本の指で左にスワイプ
左へスクロール(カスタマイズ不可)
・2本の指で右にスワイプ
右へスクロール(カスタマイズ不可)
3本の指のジェスチャー
・3本の指でタップ
TalkBackメニューを開く
・3本の指で長押し
画面検索
・3本の指でダブルタップ
コピー
・3本の指でダブルタップして長押し
切り取り
・3本の指でトリプルタップ
貼り付け
・3本の指でトリプルタップして長押し
タップして割り当て
・3本の指で上にスワイプ
前の読み上げコントロール
・3本の指で下にスワイプ
次の読み上げコントロール
・3本の指で左にスワイプ
前の読み上げコントロール
・3本の指で右にスワイプ
次の読み上げコントロール
4本の指のジェスチャー
・4本の指でタップ
ジェスチャーの練習
・4本の指でダブルタップ
チュートリアルを開く
・4本の指でダブルタップして長押し
パススルーシステムジェスチャー
・4本の指でトリプルタップ
タップして割り当て
・4本の指で上にスワイプ
前のウィンドウ
・4本の指で下にスワイプ
次のウィンドウ
・4本の指で左にスワイプ
前のコンテナ
・4本の指で右にスワイプ
次のコンテナ


◎まとめ

さて、今回の記事ではAndroid/TalkBackの、VoiceOverにも負けていない便利機能について取り上げてみましたが、いかがだったでしょうか。

残念ながら点字キーボードなどまだ日本語対応されていない機能もありますが、日々のウェブサイト閲覧・文字入力・一般操作が一気に楽になる便利な要素が数多く搭載されていますので、TalkBackユーザの方も、今後Androidの導入を検討している方も、ぜひ参考にしていただければと思います。


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