AndroidでVoiceOver操作が使える⁉
~スクリーンリーダーアプリ「Talk Forward」のご紹介~
視覚障害ユーザがiPhoneからAndroidスマートホンへ乗り換える際、一番の難点が「スクリーンリーダーの仕様・操作方法を覚え直して慣れるところかと思います。特にAndroid用の純正スクリーンリーダーであるTalkBackの設定可能なジェスチャーの種類はVoiceOverと比べ非常に多く、一から覚えるのはとても大変です。
ただ、そんなVoiceOverユーザにとってのハードルを下げ、できる限り慣れ親しんだジェスチャーを引き継げるよう設計されたサードパーティ製アプリ、「Talk Forward」が新たに開発・公開されているんです。
そこで今回の記事では、Talk Forwardの導入方法、使い方等について詳しくご紹介していきたいと思います。
*️⃣今回ご紹介するアプリはまだ一般ベータテストのような段階にあり、純正のPlayストアでは提供されていないため、セキュリティチェック等も完全には適用されない状況となっています。
自己責任でダウンロード・ご利用いただけるようお願いします。
🔳アプリ情報
それでは詳しい導入方法について解説する前に、「Talk Forward」のアプリ情報についてご紹介します。
- ・アプリ名:
- Talk Forward
- ・開発元:
- Yannick Plassiard
- ・ダウンロードページ:
- 公式サイトからダウンロード
- ・価格:
- 無料(一部サポーター限定機能あり)
- ・システム要件:
- Android 12 以降
- ・アプリバージョン:
- 26.6.11(アップデート通知あり)
- ・機能概要:
- > ページスワイプの挙動、ローターを含むタッチジェスチャーの割り振り、音声やプロファイルの切り替え等、使用感をできる限りVoiceOverに寄せたUI
- > ホーム/アプリスイッチャー/通知センター等、iOS標準の画面端スワイプ操作にも対応
- > €10~€50の寄付を行いサポーターとなることで、Geminiを利用した画像/画面認識等Android純正機能を組み合わせることが可能
- > 画面読み上げ機能にTalkBackのプログラムを流用しているため対応範囲・言語等は純正機能に準ずる
アプリ情報については以上です。
冒頭でも触れた通り「iOSの操作に限りなく近づける」ことを目的としたスクリーンリーダーアプリではありますが、内部で読み上げを行っているのはTalkBackであるため、日本語のTTSやキーボード入力時の詳細読み上げに対応している点、日本語の点字画面入力には未対応の点等は基本的に純正機能と同じです。
🔳インストール・設定方法
Talk Forwardは残念ながらまだPlayストアでは提供されていないため、上記ダウンロードページからAPKファイルをダウンロード・インストールする必要があります。
以下の手順に従って、インストールを進めてください。
- (1) ダウンロードページへアクセスし、「Download Talk Forward 26.6.11 for Android」と書かれたボタンを選択すると、自動的にダウンロードが始まります。
※ダウンロードは可能であればインストールするAndroid端末本体で行ってください。難しい場合、他デバイスでダウンロードしたものをAndroidのダウンロードフォルダ等へ転送してください。 - (2) Files by Google等APKのインストールが許可されたアプリを開き、ダウンロードフォルダへ移動して先ほどダウンロードしたAPKファイルを選択します。利用するアプリを選ぶダイアログが表示された場合には「パッケージインストーラ」を選択し、インストールを実行します。
※APKインストールを許可しているアプリが無い場合、設定アプリから「アプリ」⇒「特別なアプリアクセス」⇒「不明なアプリのインストール」へ移動し、お使いのファイル管理アプリに権限を与えます。 - (3) インストールが完了したらTalk Forwardから機能制限を外す必要があります。設定アプリを開き、「アプリ」⇒「○○個のアプリをすべて表示」⇒「Talk Forward」へ移動してください。
- (4) 表示されたアプリ情報画面で「その他の設定」等の項目(機種によって場所が異なります)を探し、その中で「制限付き設定を許可」をオンにします。
- (5) 続いて、アプリ情報画面へ戻った後、「権限」欄を開き、マイク・通知・電話等各項目を許可します。
- (6) すぐにTalk Forwardを使い始めたい場合、設定アプリから「ユーザー補助」へ移動し、「ダウンロードしたアプリ」欄にある「Talk Forward」をオンにします。この際、TalkBack等と同様に音量ボタンのショートカットを割り当てることができます。
導入方法については以上です。TalkBack等が有効化されている場合には警告が表示されますので、その場でTalk Forward以外のスクリーンリーダー機能をオフにしてチュートリアルへ進めましょう。
🔳基本的な使い方
□基本ジェスチャー
Talk Forward起動中には、デフォルトのジェスチャーが下記の通りVoiceOverベースのものに切り替わります。
なお、部分的に変えたい・TalkBackジェスチャーに戻したいという場合は、設定アプリから「ユーザー補助」⇒「Talk Forward」⇒「設定」⇒「ジェスチャー」から変更が可能です。
※記事執筆時、見出し間移動・フォーム間移動等一部ジェスチャーが割り当てられない状況になっています。
- (1) ページスワイプ
- ・TalkBack純正の2本指操作から3本指操作へ変更
- ・指を滑らせた距離に応じてスクロールする本来の動作から、VoiceOverのページ単位移動へ変更
- ・ジェスチャー設定内、「2本指でスクロールする」を有効化することでTalkBack式ジェスチャーへ戻すことができる
- (2) 読み上げコントロール
- ・従来の3本指左右スワイプ・1本指往復ジェスチャーから、VoiceOver式のローター操作(2本指でつまみを回すように操作)へ切り替え
- ・読み上げコントロール変更後は従来の縦スワイプで移動/読み上げ可能
- (3) 画面端からのスワイプ操作
- ・FaceID搭載iPhoneの画面端スワイプ操作に似せた、下記のジェスチャーが利用可能
- ①画面上端から1段階引き下げ: 通知
- ②画面上端から2段階引き下げ: クイック設定
- ③画面下端から1段階引き上げ: ホーム
- ④画面下端から2段階引き上げ: 概要(バックグラウンドアプリ)
- ※一部画面の小さい端末では2段階目の操作が難しい場合があります。
- (4) その他
- ・テキストフィールドの長押しで音声入力を実行可能
- ・VoiceOverと同様の2本指・4本指ジェスチャーに切り替え
□音声ローターの活用
前述した通りVoiceOver式のローター操作に対応しているTalk Forwardですが、音声ローターの切り替えについても実現してくれています。
以下の手順で、VoiceOverと同様に音声エンジン・言語・詳細設定を事前に設定した任意の音声へ瞬時に切り替えられるため、複数の読み上げ設定を使い分けたい方にとってはとても便利かと思います。
- (1) Talk Forwardの設定を開き、「音声ローター」へ移動します。
- (2) 「音声を追加」ボタンを選択し、任意のエンジン・音声・言語・読み上げ設定を適用します。
- (3) ページ下部の「保存」を選択し、同様の手順で切り替えたい音声設定を複数登録します。
- (4) 音声設定後、ローターを「音声」に合わせてから1本指で上下にスワイプすると、簡単に登録した音声間で切り替えることができます。
※注意: 記事執筆時、アプリの不具合により「システムの音声」への切り替えが正しく行われない状況となっています。
音声ローター利用時には、普段デフォルトで利用している音声も一緒に登録しておくようにしましょう。
□サポーター登録
管理人のLUCA自身未登録のため詳しくはご説明できませんが、Talk Forward設定内、「Talk Forwardをサポート」を選択し、メールアドレス登録・寄付を行うと、TalkBack純正機能である「画面の説明」と「画像の説明」機能が利用できるようになります。
寄付金額(€10以上)や回数に関わらずこれらの機能は利用できるようになるとのことなので、ご興味のある方はサポーター登録してみてください。
🔳まとめ
さて、今回はAndroid用に最近提供され始めたサードパーティ製のスクリーンリーダー「Talk Forward」についてご紹介してきました。
iPhoneから乗り換える視覚障害ユーザ向けに開発されたアプリということもありVoiceOver利用者には馴染みやすいジェスチャー設計になっていますので、なかなかTalkBackに慣れないという方はぜひ一度利用されてみてはいかがでしょうか。