視覚障害者の待ち合わせをサポート♪
～「すぐそこチャイム」のご紹介&試用レポート～

🦮今回ご紹介するアプリは視覚障害者のために開発されたものであるため、VoiceOverとの互換性は非常に高いです。

🔯アプリ情報

それではまずアプリ情報から。因みにこちらのアプリは以前に本サイトでもご紹介したことのある視覚障害者用支援アプリ、「スイフトアイ」と同じデベロッパさんにより開発・公開されています。

・アプリ名:

すぐそこチャイム

・ダウンロードリンク:

AppStoreページ

・価格:

無料(アプリ内課金なし)

・開発者:

Yoshiyuki Koyanagi

・対応端末/OS:

○iPhone(iOS 15.0以降)

○Mac(macOS 12.0以降、M1チップ以降)

○Apple Vision(visionOS 1.0以降)

・概要:

アプリを開いた端末同士が近づくと30m程度から音と振動が流れるようになっている、視覚障害者の待ち合わせをサポートしてくれるアプリ

🔯使用方法

すぐそこチャイムは登録・操作不要で、アプリを開くだけで簡単に利用できるようになっています。またアプリ起動後の画面に詳しい説明も掲載されており、スマートホン操作に慣れていない人にも親切な設計になっています。

なお、基本的な使い方は下記の通りです。

• (1) 待ち合わせをしている人同士ですごぐそこチャイムを起動しておき、待ち合わせ場所へ向かう
• (2) 互いの位置が30m以内になると音と振動が流れ始めるため、音が途切れない方向を探して進む
• (3) 5～10mほどのところで音と振動の頻度が高くなるため、周りに待ち合わせ相手がいないか確認する

使用方法については以上です。あまり説明するところがないほどシンプルな操作性なので、視覚障害者ユーザでも非常に使いやすいかと思います。

🔯試用レポート

実は2か月に1回ほどのペースで全盲の友人2人と渋谷でカラオケ・飲みに行っているLUCA...今回は訳あって4か月ぶりになってしまったのですが、久しぶりに渋谷で待ち合わせるということで、初めてすぐそこチャイムを試してみることになりました。そこで最後に、実際に使ってみての感想等をご紹介したいと思います。

💮良かった点

すぐそこチャイムを使ってみて一番良かったのは、「確実に近づけている」ということが音で判断できたところです。一切手掛かりがない状況で、LINE通話などをしながら互いの位置を探すのに比べ、最低限「見当違いな場所を探してしまっていない」ということがわかるだけでも、かなり安心感につながっていました。

また「とぎれとぎれに再生される」⇒「途切れずに音が流れ続ける」⇒「音の頻度が高くなる」というように段階的に音・振動の流れ方が変わるため、「少しずつ近づけている」ということが実感できるのも使いやすいポイントでした。

△少し改良が必要な点

すぐそこチャイムでは仕様上「相手のアプリとの距離」にしか反応してくれないため、例えば音が鳴り始めた時にどの方向へ進めばよいかといった情報を判断することができません。

慣れている場所で向かうべき方向がわかっている場合にはあまり問題にならないかもしれませんが、渋谷のように人の多い場所では何度も方向を変えて歩き音が途切れない方角を探すというのは大分難易度が高いように感じました。

また「登録不要」というのは非常に便利な仕様ではあるものの、アプリが開いている端末全てが反応してしまうというのも使いづらいポイントになってしまうのではないかと思います。

今回は私と友人1人の端末、計2台でのみインストール・利用したため問題はなかったですが、例えば3人以上で同時に利用した場合や、視覚障害者の多い地域で本アプリを起動している人が複数組いた場合などには各端末間で反応し合ってしまい、正しく動作しなくなってしまうのではないかという不安はあります。

ログインしてIDを交換し合った相手の端末にしか反応しないようにするなどの仕様に切り替えた方が誤作動なく利用できるのではないでしょうか。

🔯まとめ

さて、今回は少し短めの内容となってしまいましたが、視覚障害者の待ち合わせをサポートしてくれるアプリ「すぐそこチャイム」についてご紹介しました。

相手の方向を知る手段がない・他に利用している人がいた場合に緩衝し合う可能性があるなど軽微な課題もありますが、比較的慣れている場所での待ち合わせではちょっとしたすれ違いなどを防ぐことができ、便利に利用できるのではないかと思います。。

視覚障害者同士で待ち合わせる際に、一度試してみては如何でしょうか。