TalkBackと併用できるスクリーンリーダー⁉
~「Prudence Screen Reader」のご紹介~
iOSといえばVoiceOver、AndroidといえばTalkBack...「スクリーンリーダー機能はOSごとに1つずつ」なんて思っていませんか?
確かにサードパーティ製のアクセシビリティ機能を開発・提供することが極めて難しいApple製品ではデフォルトのVoiceOverを利用する他ない状況なのですが、実はAndroidにはデフォルトのTalkBackと併用できる、便利なサードパーティ製のスクリーンリーダーが提供されているんです。
今回はそんなAndroid向けスクリーンリーダーの中でも日本語対応が進んでおり、便利機能を多く搭載しているアプリ「Prudence Screen Reader(プルーデンス・スクリーンリーダー)」についてご紹介したいと思います。
👩🦯 今回もご紹介しているアプリ・設定等は全てスクリーンリーダーで利用できることを確認してから掲載しています。

🔵 基本情報
それでは早速、「Prudence Screen Reader(プルーデンス・スクリーンリーダー)」(以下、本文中では「PSR」)の基本情報についてまとめてご紹介します。
- アプリ名
- Prudence Screen Reader
- ダウンロードリンク
- Google Playストアから入手
- 開発者
- Prudence
- 価格
- 無料(アプリ内課金無し)
- 対応OS
- Androidのみ
- 対応機能
- ・スクリーンリーダー機能(多言語対応)
- ・各種アクセシビリティ関連メニューの表示/カスタマイズ
- ・OCRによる画面上の活字認識
- ・専用ジェスチャーのカスタマイズ
- ・音量ボタンショートカットのカスタマイズ
- ・物理キーボードショートカットのカスタマイズ
- ・音声/読み上げ詳細度等の調整
- 最終更新(記事執筆時)
- 2024/11/29
○ アプリの設定方法
続いてはPSRをAndroidで使うための設定方法についてご説明したいと思います。なお、こちらの設定はTalkBackがオンの状態でも利用できます。
- (1) まずは上記基本情報欄のリンクからPSRをダウンロードします。
- (2) ダウンロード・インストールが完了したら、「設定」アプリを開き、「ユーザー補助」(Androidの機種・バージョンによって少々表示が異なります)へ移動します。
- (3) 続いて各種アクセシビリティ機能・アプリの切り替えボタンが並ぶ画面が表示されますので、「PSRアシスタントサービス」と「プルーデンススクリーンリーダー」の2つをオンにしましょう。
- (4) 端末によってはこの時点でPSRの読み上げが始まりますので、必要に応じてTalkBackの音声を停止/終了してください。
- (5)アプリ一覧画面、ホーム画面等から「プルーデンススクリーンリーダー」を起動し、各種設定を行います。なお、「ボイスライブラリの設定」から選べる音声エンジンにはPSR独自の日本語音声1種類とGoogleの日本語音声、その他インストール済みのTTSエンジンなどが含まれていますので、お好みのものをご利用ください。
PSRの初期設定は以上です。なお、「プルーデンススクリーンリーダー」アプリから変更できる基本的な設定項目については、下記をご参照ください。
- ・アクセシビリティ設定
- 端末のユーザー補助設定へのショートカットです。
- ・ボイスライブラリの設定
- 仕様する音声エンジンや読み上げ音声の設定を変更することができます。
- ・詳細度
- 読み上げる情報両等を変更することができます。
- ・メニューのカスタマイズ
- 各種ジェスチャー・ショートカットにより開くことのできる、PSrのメニューに含める項目等を設定することができます。
- ・音量ショートカットキーの設定
- 上下音量ボタンを押す回数・組み合わせにより実行できるさまざまなアクションの設定を行うことができます。
- ・物理キーボードショートカットのカスタマイズ
- 物理キーボード接続時の操作方法・ショートカットキー等を設定することができます。
- ・チュートリアルとヘルプ
- 操作方法などのチュートリアル・ヘルプ情報にアクセスすることができます。
- 細かなタッチジェスチャなどがTalkBackとは違っていますので、最初にこちらから確認しておくと良いかもしれません。
🔵 便利機能のご紹介
さて、アプリの基本情報や設定方法について一通りご解説したところで、PSRの便利機能について取り上げていきたいと思います。
上記一覧を見てもわかるかと思いますが、PSRはTalkBackと比べカスタマイズできる項目が多く搭載されているので、ぜひ使いやすいカスタム方法を探してみてください。
Ⓐ 音量ショートカットキー
1つ目の便利機能は全項の設定項目にも記載した、「音量ショートカットキー」です。
こちらは端末の音量ボタンを使って様々なアクションを実行させられる機能で、本来はボタンリマッピング系のアプリを使わなければ設定できないような、複雑なキー操作にも対応してくれています。なお、記事執筆時には下記のショートカットキーが用意されています。
- ❶ 音量アップ×1
- ❷ 音量ダウン×1
- ❸ 音量アップ長押し
- ❹ 音量ダウン長押し
- ❺ 音量アップ×2
- ❻ 音量ダウン×2
- ❼ 音量アップ×3
- ❽ 音量ダウン×3
- ❾ 音量アップ↠音量ダウン
- ❿ 音量ダウン↠音量アップ
なお設定できるアクションにはPSR独自の読み上げコマンドだけでなく、システムショートカットや文書編集用アクションなど様々な項目が用意されています。
音量ショートカットキーをフルに使えば10種類ものアクション・ショートカットを画面に触れることなく呼び出せるようになるので、利便性はかなり高いのではないでしょうか。
※注意: Macrodroid・Button Mapper等の自動化アプリを併用して音量キーのショートカットを設定している場合、メディア音量変更防止など一部機能が正しく実行されない場合があります。
Ⓑ 読書モード
続いては主に弱視ユーザ向け、「常にスクリーンリーダーを使いたいわけではないけど細かな文章だけ読んでほしい」という時に便利な「読書モード」です。
こちらはPSRアプリ起動時トップ画面にある「小説読者」というボタンから起動できる機能で、内部・外部ストレージ内の文書ファイルや電子書籍データなどを読み上げてくれるというものです。
起動と同時にファイル選択を求められますので、ファイルブラウザ、または履歴から任意の文書データを選択しましょう。
読み上げの開始・一時停止・先送り・巻き戻しはそれぞれ解りやすいボタン操作によりコントロールできるようになっており、文章の一部分のみを聞きたいという場合にも使いやすい仕様になっているかと思います。
Ⓒ OCR機能による画面認識
最後にご紹介する便利機能は、近年多くのスクリーンリーダーに搭載されている、OCRによる文字認識機能です。
PSRでも現在フォーカスの当たっている箇所をOCRにより認識し読み上げてくれる機能に対応しているのですが、こちらを音量ショートカットキーと組み合わせて利用すると、画面に一切触れずに画像内の文字を読み上げさせることができるため、非常に使いやすい機能になっているんです。
ぜひ音量ショートカットキーの設定から、お好みのキーにOCR機能を割り当てて1クリックで呼び出せるようにしてみてください。
○ おまけ: Macrodroidユーザ向けの便利なマクロ
最後に少し余談、Macrodroidアプリを利用されている方向けに、PSRとTalkBackを簡単に切り替えて使うためのマクロレシピをご共有したいと思います。
TalkBackは文字説明が詳しくて解りやすい、PSRはBluetooth接続時の遅延がとても少ないというように一長一短ありますので、LUCAは普段からこちらのマクロを使って両社を切り替えています。良ければインストール後、お好きなトリガーまたはアイコンを設定してご利用ください。
※なお、記事の本題とはあまり関係のない内容なので、Macrodroidの詳細については省略させていただきます。
マクロのダウンロードはこちら: 「Screen Readers」
マクロ使用時の参考録音データはこちら:
※わかりやすいよう、デモ音声ではTalkBackに Vocalizer、PSRにアクエストークの音声を設定しています。
🔵 まとめ
さて、今回は珍しくAndroidネタ、TalkBackと併用できる便利なスクリーンリーダーアプリ「プルーデンススクリーンリーダー」についてご紹介しました。
各種ショートカット設定等TalkBackにはない便利機能も色々搭載していますので、Androidで読み上げ機能を使われている方はぜひ一度お試しください。