VoiceOverでも操作可能!
~話題の「NFT」を作ってみよう~


近年アメリカ・ヨーロッパでシェアが急拡大している、「NFT」をご存じでしょうか。これは仮想通貨のウォレットと紐づけられる非代替性のメディアのことで、過去には74億円もの価値が付いたコラージュ作品のNFTもあったそうです。

今年から日本でも対応となったTwitter Blueではプロフィール画像にNFTを設定できるようになるなど、この1、2年で国内にもNFTブームが広まりつつあります。

LUCAも1カ月ほどかけて手探りでNFT画像・音楽を作ってみたのですが、VoiceOverユーザでもなんとか操作できたので、今回はそんなNFTの作成・販売方法についてご紹介したいと思います。

⚠️ 今回ご紹介しているアプリは大部分がVoiceOverに対応していますが、本人認証段階に限り晴眼者の力を借りないと難しい操作があります。
大量のコインを抱えた黄色い鳥のイラスト


そもそも「NFT」って何?

具体的な作成・販売方法に入る前に、まずはNFTを知らない方向けに、簡単にご説明したいと思います。

既にご存じの方は、次項の解説をご覧ください。

(1) NFTって何?
「NFT」とは英語で「Non-Fungible Token」の略で、日本語では「非代替性トークン」と呼ばれています。
これまでのデジタルデータと違いコピー・複製することができず、データであるにも関わらず「一点モノ」が作れるのが特徴です。
基本的に配布できるデジタルデータはなんでもNFT化でき、外国ではNFTトレーディングカードなども発売されているそうです。
誰でも簡単に作れるのにも関わらずデジタル作品のオリジナル性が保たれるため、これまでは紙媒体でしか売ることができなかった絵画・アート作品なども高額で取引されています。
(2) NFT化のメリットは?
NFT作品は複製することができないため、大事な写真、複製されたくないオリジナルのデータ、コピーされずに安心して売りたいデータなどを安全に管理することができます。
また作品にはSNSアカウント・URL・タグ・連絡先情報など様々なデータを付加することができ、NFTマーケットやTwitterに投稿することで共通の趣味を持つユーザや同じゲーム・サービスを利用している人を探すことが容易になります。
(3) 簡単に作れるものなの?
使うサービスにもよりますが、本記事でご紹介する「OpenSea」というサイトでは画像・動画・音楽・3Dモデルなどを無料で、ワンクリックでNFTに変換することができます。
また記事中では触れていませんが、NFTアイコン・ゲームキャラクター・NFTドメインなどを販売しているサイトも多く、購入したオリジナルのデータを扱うことも比較的容易です。
(4) なんで複製できないの?
NFTは仮想通貨と同様に、ブロックチェーンウォレットで管理されます。このとき、データに紐づけられた情報についても全てウォレットに保存されるため、どれだけ模造品を作ろうとしてもオリジナルとは違うことが一目瞭然になるんです。

LUCA自身それほど詳しい訳ではないので分かりづらいところもあるかと思いますが、NFTの基本情報については以上となります。

より詳しく知りたい方は、LUCAも参考にさせていただいたこちらのサイトをご覧ください。


NFT作成・販売の事前準備

本項からは本題の、NFT作品の作成・販売方法について解説していきます。まずは事前準備、ブロックチェーンウォレットと仮想通貨取引所のダウンロード・登録です。

前項でご説明した通り、NFTは必ず仮想通貨のウォレットと紐づけられることになります。更にガス台(手数料)を払うためには多少のイーサリアム(ETH)が必要になりますので、事前にウォレット・販売所へ登録しなければなりません。

本記事ではMetamaskというブロックチェーンウォレットと、bitFlyerという仮想通貨取引所のアプリを例にご紹介します。

Metamaskのダウンローと・登録方法

はじめにブロックチェーンウォレットの、MetaMaskというサービスに登録します。Metamask(メタマスク)とは2016年から続いている信頼性の高いウォレットサービスの1つで、アプリ内で直接仮想通貨の取引ができることと、UIの大部分が日本語に翻訳されているのが特徴です。

MetaMaskを使い始めるには、まずAppStoreまたはPlayストアからモバイルアプリをダウンロードしてください。

ダウンロードしたアプリを開くとログインもしくは新規開設を求められますので、初めて使う場合には「ウォレットを作成」を選んでください。ウォレットを作る段階では本人認証などの必要はありませんので、表示される指示に従って規約への同意とアプリパスワードの作成に進んでください。

ウォレットが正しく作成されると、「リカバリーフレーズ」を保存するための画面に遷移します。このリカバリーフレーズとは別の端末でウォレットにログインするために使うマスターパスワードのようなもので、紛失すると二度とアカウントにアクセスすることができなくなってしまいますので、できる限り安全な、オフライン環境に保存しておくことが推奨されています。

※リカバリーフレーズを表示するためのボタンは画像内に組み込まれていますが、VoiceOverの画面認識機能を使えば操作は可能です。

続いてはMetaMaskのUIで最もアクセシビリティが低い画面で、リカバリーフレーズのバックアップを求められる段階に移ります。先ほど書き留めておいたリカバリーフレーズを確認しながら、ランダムに並んだ単語を順番にタッチして操作を完了してください。

※本記事でご紹介している操作方法の中で、唯一VoiceOverに対応していない場面です。目の見える方に、可能な限りフレーズを覚えてしまわないような形で、操作してもらう必要があります。

これでMetaMaskの事前準備は終了です。続いて仮想通貨の取引所、「bitFlyer」への登録を行います。

bitFlyerのダウンロード・登録方法

MetaMaskはアプリ内で仮想通貨を購入することができるようになっているのですが、日本のクレジットカードの多くが対応していない、手数料が割高になってしまうなどのデメリットも多く、取引所・販売所を利用する方法が推奨されています。

bitFlyerはそんな取引所の中でも安全性が高く、日本円の入金に手数用がかからないことで有名なサービスで、MetaMaskと同様、AppStorePlayストアから専用アプリをダウンロードすることができます。

登録方法は比較的簡単で、アプリを開いたときに画面下方に表示されるダイアログから「アカウント作成」を選択してメールアドレスを入力すれば本登録用のリンク・指示が書かれたメールが届くようになっています。

あとは指示に従ってアカウント登録・個人情報登録・本人認証・銀行口座の登録を行えば準備は完了となるのですが、このうち「個人情報登録」についてはアクセシビリティがあまり高くないので、少しコツがいるところになっているかと思います。

VoiceOverとの相性がいまいちなのは特にドロップダウンメニューで、中でも各種仮想通貨・株式・FXの取引経験を選ぶ箇所はボタンの内容を全く読み上げてくれません。ただ、元々厳密に答えなければならないところではありませんので、「下の方が数字が若い」とだけ覚えておいていただければそれほど苦労せずに入力できるかと思います。

多くのサービスで最大のバリアとなりやすい本人認証については珍しい「対面式の認証」というオプションが用意されていますので、本人確認書類の撮影が難しい方はこちらを選択するのが楽かもしれません。

全ての情報登録が済めば、bitFlyer側の準備は完了です。続いて次項の内容に従って、NFTを作成してみましょう。


NFT作品の作り方(無料)

ウォレット・取引所サービスに登録したら、あとは簡単にNFTを作成することができます。なお、本記事では無料でアクセシビリティが比較的高い、「OpenSea」というサイトを利用します。

まずはMetaMaskのアプリにログインして、「ブラウザ」タブ(画面右下)に切り替えてください。その後、画面最上部の検索/アドレスバーに「opensea」と入力し、表示された検索結果の1つ目を開いてください。

OpenSeaのサイトに遷移できたら、続いて右上にある「menu」ボタンを選択し、展開されたドロップダウンの中から「Create」を選んでNFT作成画面へ移ります。

初めてNFTを作成する場合にはウォレットサービスとの接続、つまりはログインを求められます。本記事の手順通りにMetaMaskを利用されている場合には一覧から「MetaMask Popular」を選択し、続いて表示される署名・同意画面で「署名」を選んでください。

無事にウォレットを連携できると、NFTの作成画面に遷移します。この状態ではまだ仮登録の状態なのですが、NFTデータの作成には必要ないので、詳しい登録手順については省略します。

ここからは画面に表示されている指示に従っていくだけで簡単に作成を進めていくことができます。最低限「Image, Video, Audio, or 3D Model」(NFT化したい電子データ)、「Name」(作品名)、「Description」(作品説明)と「Collection」(追加するコレクション、初回の場合は作成後に編集)の欄を設定して、「Create」ボタンを押してください。

作成したNFTはプロフィール画面(「menu」→※「Account」→「Profile」)から確認できる他、MetaMaskのウォレットにも自動的に表示されるようになります。

※VoiceOverを使用している場合、メニューのアカウント欄は「account_circle Account chevron_right」と読み上げられます。

なお、作成したNFCがウォレットに反映されない場合、「ウォレット」タブ」→メニュー(VoiceOverでは画面最上部)→「プライバシーとセキュリティ」へ進み、「OpenSea APIを有効にする」と「NFTを自動検出」がどちらもオンになっていることを確認してください。

NFTの作成方法は以上です。なお、下記フレームにはLUCAが作成した、飼い猫、麦茶茶のNFT画像を埋め込んでみました。



NFTの譲渡・販売方法(有料)

さて、前項ではNFT作品の作成方法について解説してきましたが、Twitterのプロフィール画像等に利用したい場合には、何かしらの取引履歴が必要になります。そこで本項では最後に、OpenSea経由でNFTを譲渡/販売する方法についてご説明します。

まず、作成と違ってNFTを譲渡・販売したい場合にはガス代、つまり手数料がかかります。そのため、販売に使いたいアカウントには事前にある程度のETHを入金しておきましょう。

方法としてはbitFlyerアプリを開き、「入出金」タブ→「日本円」→「銀行口座から振込入金」へと進み、そこに書かれた口座に2、3000円程度振り込みます。その後、日本円残高が繁栄したら、「ホーム」タブ→「イーサ」→「買う」へ進み任意の額を購入してください。

仮想通貨の購入ができたらMetaMaskのウォレットタブを開き、「受け取る」欄でウォレットアドレスの欄を選択して文字列をコピーしてください。続けてbitFlyerのアプリに移動し、「入出金」→「仮想通貨」→「イーサ」へと進み、先ほどコピーしたアドレスを張り付けてお好みの額を出勤してください。

あとはMetaMaskアプリのブラウザタブからOpenSeaにアクセスし、「menu」→「Account」→「Profile」から作成したNFTを選択して「Sell」(売る)または「Transfer」(譲渡)を選べば簡単に取引をすることができます。


まとめ

ということで、今回はNFTの作成・販売方法についてご説明してきました。

予想以上に長く、且つわかりづらくなってしまいましたが、LUCAのように挑戦してみたいという方はご参考にしていただければ幸いです。


*本ページの記載内容に誤りがあれば、メール、TwitterのDMなどでお知らせください。


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