Macユーザにお勧め❣️
~キーマッピングアプリ「Karabiner Elements」のご紹介~


WindowsではPC独自の設定やサードパーティ製アプリなど、キーボード・マウスの挙動を変更・調整するための機能が複数提供されていますが、一方のMacでは同様の機能を自由にカスタマイズできるアプリ等はあまり公開されていませんよね。

とはいえ、やはりキーボードのリマッピング・トラックパッドの制御などができれば作業効率はかなり挙がりますよね...。実はMac向けにも、いくつか有名なキーボードマッピングアプリが提供されてはいるんです。

そこで、今回の記事では信頼性・アクセシビリティが比較的高く、この数年間で人気が出てきている、キーボード・マウスのカスタマイズアプリ「Karabiner Elements」と、おすすめのカスタマイズ方法についてご紹介したいと思います。

📝 今回も、記事中でご紹介しているアプリ・ツールは一通りVoiceOverで操作できることを確認してから掲載しています。


白熊が卓上のマックブックを操作しているイラスト

Mac向けカスタマイズアプリ「Karabiner Elements」のご紹介

それでは早速、Mac向けのお勧めキーボードマッピングアプリ、「Karabiner Elements」の基本情報・ダウンロード方法などについてご紹介していきます。

基本情報

アプリ名
Karabiner Elements
価格
無料(寄付は受け付けているものの、無料で全機能が利用可能)
バージョン
14.13.0(記事執筆時)
対応OS
MacOS11 Big Sur 〜 MacOS14 Sonoma(記事執筆時)
仕組
物理キーボード・マウスからの入力を受け取り、事前に設定された処理を施してからその入力をソフトウェアへ伝える。
長所
✅更新頻度が高く、常に最新のOSに対応されている。
✅サポート体制が良いにも関わらず、全ての機能が無料で利用できる。
✅開発者・サポーターに日本人がいるようで、日本語キーボードにしかないキーの一部にも対応している。
短所
❌一部のパスワード入力画面などで文字が打てなくなってしまう場合がある。
❌一度物理キーボード・マウスの操作を受け取り処理を施すため、スペックの低い端末・動作の遅くなっている端末などではタイムラグが発生する場合がある。

アプリのダウンロード方法

  1. まずはKarabiner Elementsの公式ページにアクセスし、「Download vXX.XX.XX」というリンクからdmgファイルをダウンロードしてください。
  2. ダウンロードしたdmgファイルを開き、格納されているインストーラ「Karabiner-Elements.pkg」を起動してください。
  3. 続いてインストーラの指示に従い、インストール先 ・インストール方法などを選択してインストール作業を完了してください。
  4. 正常にインストールできていれば、FinderのアプリケーションフォルダやLaunchpad内に「Karabiner-Elements」が追加されているはずです。

アプリのインストール方法は以上です。なお、Karabiner Elementsアプリを起動すると直接キーボード・マウスのカスタマイズができる設定画面が開くようになっており、アプリUIは基本的に英語で表示されます。
またこのアプリは常時キーボード・マウスからの入力を監視している必要があるため、ウィンドウを閉じる時にはQuitボタンやQuitコマンドではなく、ウィンドウの端にある「❌」(閉じる)ボタンを使うことになり、動作に問題が生じた場合にはメニューバーから再表示する形になっています。

次項からはKarabiner Elementsでカスタマイズすることのできる、おすすめの設定方法についてご紹介して行きたいと思います。


お勧めのカスタマイズ1: LaunchPadボタンの作成

Karabiner Elementsのカスタマイズ項目は非常に幅広く、こだわりたい人は自ら独自のルール(挙動)を作成できるほどです。ただLUCA自身はそれほどこだわる気はないので、簡単且つ便利なカスタマイズ方法だけを取り上げて行きたいと思います。まず1つ目はアプリを起動する際によく使う、Launchpadをキー1つで簡単に起動できるようにする方法です。

まずはKarabiner Elementsを開き、「Simple Modifications」を選択しましょう。基本的に通常キー・特殊キーの役割を変更巣る場合には、このボタンを使うことになります。

その後、複数のキーボードを使い分けている場合にはリストからカスタマイズしたいデバイスを選ぶことになります。全てのキーボードで変更したい場合には、「For all devices」を選択します。

続いて、スクロールエリア内の「Add item」ボタンを押下して新たにカスタマイズしたいキーを追加しましょう。先ほど選択した「Add item」ボタンのすぐ上に「⬜️→⬜️」(VoiceOverでは「ポップアップボタン」、「アロー・フォーワード・イメージ」、「ポップアップボタン」と読み上げられます)のような表示が追加されるかと思います。

表示されたポップアップボタンのうち、左側のもの(VoiceOverでは先にカーソルが当たるボタン)を選択し、カスタマイズの対象となるキーを選びましょう。今回はキーの働きそのものを変えてしまうため、ここでは普段あまり使わないキーを選びます。LUCAの場合はCapsLockキーを選択しましたが、基本的にはアルファベットや数字などの通常キー、ショートカットキーなどに用いられるCtrlやOptionなどの特殊キーを避けて選ぶことをお勧めします。

カスタマイズ対象のキーを選び終えたら、続いて右側のポップアップボタンを押下して割り当てたい機能を選びましょう。今回は「Launchpadボタンを作る」方法についてご紹介しているので、「Others」内の「vk_launchpad (equal to `launchpad`)」を選択します。

ここまで設定できればカスタマイズ内容は自動的に保存されますので、カスタマイズしたキーを押下して試してみましょう。正しく設定できていれば、キーを押すと同時にLaunchpadが展開されるかと思います。


お勧めのカスタマイズ2: ファンクションキーの変更

続いてご紹介するのはファンクションキー(キーボード最上部に並んだF1〜F12キー)のカスタマイズ方法です。

実はファンクションキーのカスタマイズはその他のキーと違い、「Simple Modifications」ではなく「Function Keys」というボタンから行うようになっています。

「Function Keys」を選択した後はSimple Modificationsと同様にスクロールエリアから本来と異なる機能を割り当てたり、「Use all F1, F2, etc. keys as standard function keys」という切替えボタンからファンクションキーロックを設定できたりします。

Windowsの操作に慣れているLUCAとしてはF1〜F12の各機能がFnキーと組み合わせないと使えないのが少し不便に感じていたので、何よりも「Use all F1, F2, etc. keys as standard function keys」の有効化を設定しました。その他、普段あまり使わないファンクションキーに任意の機能を当てることもできるので、ぜひお好みの設定を探してみてください。


お勧めのカスタマイズ3: トラックパッドの無効化

最後にご紹介するカスタマイズ方法は、Windowsでは簡単んい設定から設定できる「タッチパッド(トラックパッド)の無効化」です。VoiceOverユーザにとっては文字入力中・キーボード操作中にトラックパッドを無効化できると便利ですよね。

「Karabiner Elementsによるカスタマイズ」としてご紹介してきている今回の記事ですが、実は本項の設定については「カスタマイズ項目」を使ったものではないんです。仕組みとしては、「設定アプリでマウスキー設定を有効化する」→「本来はカーソル移動に割り当てられてしまう一部のキーをKarabiner Elementsで無効化して通常のキーとして利用」という流れになります。

トラックパッドの無効化を設定するには、Karabiner Elementsを有効化した状態で、下記の手順に沿ってマウスキー機能を設定してください。

  1. 「システム設定」を起動し、「アクセシビリティ」→「ポインタコントロール」へ進んでください。
  2. 続いて「マウスキー」の切り替えボタンを有効化して、その直後にあるiボタン(「詳細情報を表示」ボタン)を押下してください。
  3. 新たに表示されたウィンドウ内で、「Optionキーを5回押してマウスキーのオン/オフを切り替える」をオンにして、続いて「OK」ボタンを選択して決定しましょう。

上記の設定が完了すると、Optionキーを5回連続で押下することでマウスキー機能を切り換えられるようになります。マウスキーが有効の場合はトラックパッドが無効化され、キーボード右側のいくつかのキーがカーソル移動専用に変わるのですが、Karabiner Elementsがバックグラウンドで起動されている場合にはこれらのキーも通常通りアルファベットキーとして使えるようになります。結果的に各種キーには一切影響を与えずにトラックパッドのみを無効化することができるようになるという訳です。


まとめ

さて、今回はMac向けの記事になってしまいましたが、とても便利なキーボードマッピングアプリ「Karabiner Elements」と、そのお勧め設定をいくつかご紹介しました。

Windowsとは違いなかなかデフォルト設定でキーボードの動作を変更することができないMacですが、Karabiner Elementsを使えばキーの機能変更・ファンクションキーロックなど様々な要素をカスタマイズすることができるようになりますので、ぜひMacユーザの方は試してみてください!


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