障害に関わる日本・世界の記念日を一挙にご紹介❕
普段は視覚障害者向けの情報やIT系の記事ばかりを掲載しているページの書棚ですが、今回は1年の始まりの月ということもあり、少し方向性を変えて障害者関連の記念日を一気にご紹介していきたいと思います。
認知度・理解度を高める目的で制定された障害者関連の記念日はここ数年で大幅に増えているので、あまり見かけないものもあるのではないかと思います。
日本・世界の各記念日について、由来/成り立ちと概要を簡単にまとめていますので、名前・大まかな内容だけでもご覧いただければと思います!
🌐 国内の記念日については主に一般社団法人・日本記念日協会(以下「記念日協会」)により認定・登録されたもの、世界の記念日については国連により定められた「国際デー」とされているものをご紹介しています(一部例外あり)。

1月 ~January~
- ■1月4日: 世界点字デー
- ・英: World Braille Day
- ・由来/成り立ち: 世界盲人連合により2000年に制定され、2018年の国連総会で承認。
- ・概要: コミュニケーション手段としての点字の重要性に対する認知度を高めることを目的としています。なお、ルイ・ブライユにより世界で初めて点字が考案されてから2025念で丁度200年となります。
3月 ~March~
- ■3月3日: 耳の日
- ・由来/成り立ち: 日本耳鼻咽喉科学会の提案により1956年に制定。日付は3/3(みみ)の語呂合わせと、電話の発明者であり教育者でもあったグラハム・ベルの誕生日から。
- ・概要: 難聴と言語障害のある人々の悩みを少しでも解決したいという思いから提案・制定されました。
- ■3月18日: 点字ブロックの日
- ・由来/成り立ち: 社会福祉法人岡山県視覚障害者協会により制定され、2010年に記念日協会により認定・登録。日付は、点字ブロックが1967年3月18日に岡山県立岡山盲学校付近の交差点に世界で初めて敷設されたことから。
- ・概要: 日本で発明された点字ブロックの安全性確保・発展と認知度向上を目指して制定されました。
- ■3月21日: 世界ダウン症の日
- ・英: World Down Syndrome Day
- ・由来/成り立ち: 世界ダウン症連合により2004年に制定され、2012年に国連により国際デーとして制定。日付はダウン症候群が21番染色体のトリソミー(染色体が3本あること)に起因することから。
- ・概要: ダウン症のある人たちとその家族、支援者への理解を深める目的で制定されました。公益財団法人日本ダウン症協会では、毎年2月に「世界ダウン症の日キックオフイベント」を開催しています。
4月 ~April~
- ■4月2日: 自閉症啓発デー
- ・英: World Autism Awareness Day
- ・由来/成り立ち: 2007年の国連総会にてカタール王国王妃により提案され、採択。日付上特に由来は無し。
- ・概要: 国内では世界自閉症啓発デー日本実行委員会が組織され、毎年4月2日から8日を「発達障害啓発週間」として、様々な活動を実施しています。
- ■4月25日: 失語症の日
- ・由来/成り立ち: 特定非営利活動法人日本失語症協議会により制定され、2020年に記念日協会により認定・登録。日付は4/25(しつご)の語呂合わせから。
- ・概要: 失語症の認知度を高め、失語症者の社会参加を進めることを目的としています。
5月 ~May~
- ■5月22日: ほじょ犬の日
- ・由来/成り立ち: 社会福祉法人日本介助犬協会により制定され、2014年に記念日協会により認定・登録。日付は2002年(平成14年)5月22日に「身体障害者補助犬法」が成立したことから。
- ・概要: 「身体障害者補助犬法」の更なる認知度向上を目的としています。なお、この法律では、施設などにおいて補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)の同伴受け入れを義務づけています。
6月 ~June~
- ■6月6日: 補聴器の日
- ・由来/成り立ち: 全国補聴器メーカー協議会と全国補聴器販売店協会により1999年に制定され、2001年に記念日協会により認定・登録。日付は数字の6を向かい合わせにすると耳の形に見えることから。
- ・概要: 補聴器のネガティブなイメージを払拭し、補聴器を通して多くの人々の「聞こえ」についての悩みが改善されることを目指して制定されました。
- ■6月27日: 障害者優先調達推進法の日
- ・由来/成り立ち: 全国社会就労センター協議会により制定され、2023年に記念日協会により認定・登録。日付は「障害者優先調達推進法」が2012年6月27日に公布されたことから。
- ・概要: 「障害者優先調達推進法」の認知度向上を目的としています。この法律では、国や地方公共団体などが率先して障がい者就労施設などが供給する品物等の調達を推進することを定めています。
9月 ~September~
- ■9月9日: 人工内耳の日
- ・由来/成り立ち: 一般社団法人・人工内耳友の会(ACITA)により制定され、2023年に記念日協会により認定・登録。日付は聞こえがステップアップすることを願い、3月3日の「耳の日」、6月6日の「補聴器の日」に続くよう、9月9日に設定。
- ・概要: 人工内耳について認知度を高め、理解を深めてもらうことを目的としています。
- ■9月10日: 知的障害者愛護デー
- ・由来/成り立ち: 日本精神薄弱者福祉連盟(現在の日本知的障害福祉連盟)が1964年に制定した「精神薄弱者愛護デー」が改称・範囲拡大され再度制定。
- ・概要: 知的障害者の権利や生活の質の向上、理解度や支援体制の強化を目的としています。9月1日から30日の1か月間は「知的障害福祉月間」となっています。
- ■9月23日: 手話言語の国際デー
- ・英: International Day of Sign Language
- ・由来/成り立ち: 2017年に国連総会で採択。日付は、1951年9月23日に世界ろう連盟(WFD)が設立されたことから。
- ・概要: 手話言語が音声言語と対等であることを認め、ろう者の人権が完全に保障されるよう国連加盟国が社会全体で取り組むことを目的としています。なお世界ろう連盟が2022年に「手話言語にブルーライトを当てよう」イベントを立ち上げたことを受け、日本でも全国各地の名所や施設でブルーライトアップが実施されています。
- ■9月28日: 情報へのユニバーサル・アクセスのための国際デー
- ・英: International Day for Universal Access to Information
- ・由来/成り立ち: 国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が2015年に制定し、2019年の国連総会で採択。
- ・概要: 国籍、年齢、性別、障害などあらゆる要因にかかわらず誰もがインターネットで情報を得られることを目的としています。各国における法律の整備や政策の実施、インターネット普及率の低い地域への支援や教育、身体障害者が不自由なく入力できる機器の開発など、世界的にユニバーサル・アクセスの実現のための努力がなされています。
10月 ~October~
- ■10月1日: 福祉用具の日
- ・由来/成り立ち: 福祉用具関連団体で構成している「福祉用具の日」創設連絡会により2002年に制定。日付は1993年10月1日に福祉用具法が施行されたことから。
- ・概要: より多くの人に福祉用具のことを知ってもらうことを目的としています。9月1日から10月31日は「福祉用具の日重点推進月間」とされ、関係諸機関・団体により、全国各地で様々な取組が行われています。
- ■10月9日: 字幕普及の日
- ・由来/成り立ち: 岡山市難聴者協会により制定され、2024年に記念日協会により認定・登録。日付は10/9(じまく)の語呂合わせから。
- ・概要: 難聴者にとって欠かせない「字幕」が全てのメディアに付くようになることを目指しています。
- ■10月10日: 世界メンタルヘルスデー
- ・英: World Mental Health Day
- ・由来/成り立ち: 世界精神保健連盟により1992年に制定され、その後世界保健機関(WHO)が協賛し正式な国際デーとして登録。
- ・概要: メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見を無くし、正しい知識を普及することを目的としています。日本ではNPO法人シルバーリボンジャパンが毎年10月10日に東京タワーのライトアップなどの普及・啓発活動を実施しています。
11月 ~November~
- ■11月10日: 肢体不自由児愛護の日
- ・由来/成り立ち: 日本肢体不自由児協会の主唱で1953年から実施。
- ・概要: 肢体不自由愛護思想を普及させ、肢体不自由児の幸せをはかることが目的とされています。この日から12月10日までは「手足の不自由な子供を育てる運動」期間とされ、毎年肢体不自由児が描いた絵を載せた「友情絵はがき」「愛の絵はがき」の配布などが行われています。
12月 ~December~
- ■12月3日: 視覚障害者ガイドヘルパーの日
- ・由来/成り立ち: 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合と同行援護事業所等連絡会が制定し、2024年に記念日協会により認定・登録。日付は同行援護を創設した改正障害者自立支援法が2010年12月3日に成立したことから。
- ・概要: 同行援護等、視覚障がい者の外出を保障する諸制度の理解促進、ガイドヘルパーの地位向上や人材確保、制度の発展を目的としています。由来となっている改正障害者自立支援法の公布日である12月10日までを記念週間としています。
- ■12月3日: 国際障害者デー
- ・英: International Day of Persons with Disabilities
- ・由来/成り立ち: 1982年12月3日に国連総会で「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことを記念し、1992年の国連総会で制定。
- ・概要: 障害者問題に関する関心・理解度の向上と障害者のあらゆる分野の活動への積極的な参加の促進を目的としており、世界各地で様々な啓発活動が行われています。日本では1975年12月9日に「障害者の権利宣言」が国連総会で採択されたことにちなんで、1993年に心身障害者対策基本法が障害者基本法に改められた際に12月9日を「障害者の日」として法律で規定しましたが、2004年の障害者基本法の改正により、従来の障がい者の日に代わるものとして12月3日から12月9日までを「障害者週間」としました。
まとめ
さて、今回の記事では普段と少し方向性を変え、障害者に関わる日本・世界の記念日を取り上げてみましたが、如何でしょうか。
今回ご紹介した記念日の他にも障害関連のサービスを提供する会社やNPO団体などによって作られた記念日もあり、年々新しい記念日が作られています。
ぜひ障害理解を深めるためにも、こういった障害関連の記念日について知り、共有していっていただければと思います。