初めてのAndroidタブレット購入 ~アクセシビリティレポート~


Apple専門だった僕が、つい先日、初めてAndroidタブレットを購入しました。数日かけて使いやすいよう設定することができたので、今回はその方法と感想を書いていきたいと思います。既にAndroid端末をご利用の方にとっては凄く基本的なことばかりなので、つまらないかもしれません。☘

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今回購入したデバイスについて

本ページで説明する操作方法等は機種・OSバージョンによって少々異なりますので、まずは僕が購入した端末をご紹介します。

デバイス説明
デバイス名・リンクMediaPad M5 8
メーカーHUAWEI
OSバージョンAndroid9.0.1
ハードウェア特徴8.4インチ、指紋センサー・側面タッチ対応

とりあえずApple製以外のタブレットを使ってみたい、使いやすければ仕事等にも活用したいというような気持ちで購入したので、スペックにはあまり拘らずに、最新の機種を選びました。実を言うと、Android端末を購入するのは初めてではなく、4、5年前に一度格安のSimフリースマホを試しに購入したことがあります。ただ、その頃はまだアクセシビリティ機能が不十分だったこともあり、主にゲーム機代わりになってしまっていました。最近になってAndroidのアクセシビリティも発展し、デフォルトで読み上げ機能が組み込まれるようになったことを知り、再び、今度はタブレット端末に、挑戦しようと思った訳です。

読み上げ機能の設定

まずは全盲ユーザには必須の、読み上げ機能の設定についてご説明します。

Androidに搭載されている画面読み上げ機能はTalkBack(PlayストアではAndroid Accessibility Suite)と呼ばれていて、過去のAndroidバージョンを使用している場合、誤って削除してしまった場合や不要な場合などにストアからアンインストール・再インストールできるようになっています。最近のOSではデフォルトで搭載されていますので、設定さえ終わればすぐに使えるようになります。

この読み上げ機能(以下TalkBack)の起動方法ですが、最新のデバイスではセットアップ時に音量上・下ボタンを同時に3秒間長押しすることで立ち上げられるそうです(残念ながらMediaPad M5ではできませんでした)。この時起動を確認するポップアップが現れることがあるそうなので、全盲の方は目の見える方の力を借りて許可を選択してください。音量ボタンの長押しでTalkBackが起動できない場合は、まず目の見える方に手伝ってもらってセットアップを完了してください。その後、「設定」アプリの「スマートアシスト・ユーザー補助」タブから「ユーザー補助」、「TalkBack」へと進み、オンスイッチを選択して起動してください。

TalkBackの詳細設定を行うには、上記のTalkBackページ右上の「設定」ボタンを選択してください。設定項目の大部分はわかりやすく並んでいると思いますので、本項では僕が最も苦戦した、「テキスト読み上げの設定」についてご説明していきます。

「テキスト読み上げの設定」は「ユーザー補助」及び「TalkBack」設定からアクセスできます。このページはiOSで言うとVoiceoverの「スピーチ」設定に当たり、読み上げ音声の言語、声質、速度、音程などを設定することができるようになっています。まずは簡単な速度とピッチの設定ですが、それぞれの項目の次にあるスライダーを操作して変更することができます。スライダーを移動させるには、フォーカスを当てた状態でダブルタッチホールド(2度タップし、そのまま長押し)するか、上下音量ボタンで5%ずつ動かしてください。

またiOSユーザにとっては一番わかりにくいところかもしれませんが、Androidの各種読み上げ機能ではサードパーティー性の読み上げエンジンを利用することができます。これは簡単に言うと、Google製のTalkBackに、他社の音声を使うことができるということです。「テキスト読み上げの設定」画面最上部、「優先するエンジン」と書かれたセクションには元からインストールされている読み上げエンジン(多くの場合はGoogleテキスト読み上げエンジンのみ)が一覧で表示されています。各エンジン名の横にはオンボタンと、音声の詳細設定を行うための「詳細」ボタンが並んでおり、ここから声質、性別などを変更することができます。そして音声の種類の少ないGoogleのエンジンに秋田場合、気に入らなかった場合などには、他社製のエンジンをストアからダウンロードして適用することができるんです。僕は現在AquesTalk Proというエンジンを利用していますが、他にも色々と提供されていると思うので、ぜひお気に入りの音声を見つけてみてください。



使いやすくするための設定等

続いてAndroidを使いやすくする設定、つまり必須ではなくとも便利になる設定・機能についてご説明します。

まずは先ほどに引き続きTalkBackの設定画面ですが、「ジェスチャー」や「キーボードショートカット」を設定できる項目があります。これらのページからは画面のなぞり方にや押すハードウェアキーボードのキーの組み合わせなどによって任意のアクションを割り当てられます。また「パスワードの読み上げ」をオフにしていると内蔵スピーカー使用時にパスワードやキーが読み上げられなくなってしまいますので、個人的には有効化しておくことをお勧めします。

続いてはユーザー補助設定ですが、「大きなマウスポインタ」や「拡大操作」など、音声以外のアクセシビリティ設定を変更することができます。またTalkBackと多種補助設定を同時・交互に使いたい場合には、「ユーザー補助のショートカット」を有効化すると、上下音量ボタンの同時長押しで任意の補助機能のオン・オフを切り替えられるようになるので便利ですよ。

最後にユーザー補助とは関係のない設定についてご説明します。まず、Android端末ではソフトウェアキーボードの設定が不十分な状態でインストーるされていることが多いようです。MediaPad M5でも、始めは日本語のかな入力しかできず、設定に苦戦しました。そんなキーボード設定ですが、設定の「システム」から「言語と文字入力」に進むことで変更することができます。設定画面では中央に有効化されたキーボードが一覧で表示されていて、新たに設定、もしくはストアでダウンロードされると自動的に追加されるようになっています。これらのキーボードの詳細設定を行うには各キーボード名を選択し、その後の画面で言語やレイアウト、テーマなどを変更してください。

読み上げ対応アプリのダウンロード

Androidには基本的なユーティリティアプリが一通りデフォルトでインストールされていますが、やはりどんどんお気に入りのアプリをインストールしていきたいですよね。アプリの好みは人それぞれだと思いますので、本項では基本的なPlayストアの使い方と、TalkBackユーザに絶対にお勧めしたいアプリについてのみご説明します。

まずはAndroidでアプリをダウンロードする方法についてご説明します。Android用アプリは専用のストア、「Playストア」から行います。これはiOSで言うところのAppStoreのようなもので、標準型・ドロワー型に関わらず、ホーム画面の1ページ目に配置されていると思います。初回起動時にはGoogleアカウントの入力もしくは確認が求められます。ストアでの購入・ダウンロードは全てGoogleアカウントに記録されますので、必ず登録してください。登録が終わると、無料アプリのダウンロードが可能となります。優良アプリを購入する時には支払い方法の入力を求められますので、必要項目を入力して操作を完了してください。

アプリのダウンロード方法はAppStoreと同様で、トップページや検索画面で表示されたアプリアイコンの下方にある「インストール」ボタン等を選択してください。初回ダウンロード時にはGoogleアカウントのパスワードが求められます。最後に、必要な許可をアプリに与えれば、自動的にインストールが開始されます。

長くなってしまいましたが、ここからお勧めのアプリ分類をご紹介します。僕自身、まだ一覧を作れるほどアプリをインストールしていないため、またリンクを張ってしまうとアプリ発見の楽しみがなくなってしまうと思いますので、大きな分類と代表的なアプリ名のみを記載します。よければご参考にどうぞ↓

分類説明代表例
読み上げエンジン系前項でも説明しましたが、TalkBack等の読み上げ機能に使えるアドイン系アプリです。アプリを開いて設定を行った後、設定アプリから適用できます。Aquestalk Pro、N2TTSなど
音声アシスタント系"OK, Google"や&Alexa"、"Hey, Siri"のように、話しかけることで様々なアクションを実行できるアプリです。Google製のAndroidでは、純正でどこからでも呼び出せるGoogleアシスタントを使うのが良いと思います。Google アシスタントなど
視覚障碍者用iOSでもお馴染み、画像説明・OCRなどの視覚障碍者に役立つアプリです。Tap Tap Seeなど
一般アプリ・ゲームもちろん、TalkBackに対応した一般のアプリ・ゲームなども多くリリースされています。Dropbox、Microsoft Office系、Talking Stonesなど

まとめ

以上、今回Androidタブレットを購入・セットアップした経験に基づいて基本的な使い方・設定方法について説明してきました。Androidは自由度が非常に高く、記事には書ききれないほどの設定項目があります。また僕自身、まだAndroid初心者ということもあり、まだまだ知らない部分が多いため、しっかりと記載できていない部分も多いと思いますので、もしAndroid端末に挑戦される方はご自分でも色々な操作・設定を試してみてください。あまり役立つ記事だったかわかりませんが、ご興味を持っていただけたなら幸いです♪


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